医療法人防治会 いずみの病院

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診療科・部門

DBSとは

いずみの病院は、高知県で唯一、定期的にDBSを行っている医療機関であり、 高知県内はもとより四国各地から症状に悩んでおられる方が来院されています。 より多くの患者さまがより豊かな生活を送られるよう、経験豊富な医師が診断・治療にあたってまいります。

脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation : DBS)

DBSとは、脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation)で、 定位脳手術用フレームで頭部を固定し極細の電極を脳に刺す高度な手術のことです。 手足のふるえや筋肉のこわばりなどの症状のある、パーキンソン病や本能性振戦ジストニアの治療法として知られています。 さらなる薬の増量や日内変動(症状が1日のうちで良くなったり悪くなったりを繰り返す状態)の コントロールが困難となった場合に、手術が検討されます。

脳の視床下核に電極を埋め込み電気刺激することで症状を緩和するために行います。 視床下核は5~8ミリほどの大きさで、手術では繊細な調節と判断が求められます。 電極を埋め込む位置は、生活上で最も困っている症状や症状のある部位によって決定します。

日内変動(症状が1日のうちで良くなったり悪くなったりを繰り返す状態)の軽減、 薬と併用してコントロールをしやすくするなどの効果が期待できます。 パーキンソン病は進行性の病気で手術でも完治は困難ですが、進行を約5年分巻き戻す効果も期待できます。

当院では2001年11月~2024年2月の間に、パーキンソン病と本能性振戦やジストニアに対して479回の手術を実施。 手術後、生活動作や日内変動において約90%の方が、服薬量の減量において約80%の方が効果があったと答えられました。

手術の危険性は脳外科手術の中では少なく、 当院での出血に伴う合併症の発生率は、1/479例=0.21%(2024年2月現在)です。

機能的定位脳手術技術認定施設に認定されました

日本定位・機能神経外科学会では、過去3年間の機能的定位脳手術症例登録数が24例以上の施設を 機能的定位脳手術技術認定施設としています。

2023年度機能的定位脳手術認定施設は「いずみの病院」を含めて全国で37施設のみです。また当院には機能的定位脳手術技術認定医が3名在籍しており、DBS手術を担当しています。

脳神経外科  清家 真人