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姿勢が及ぼす心身への影響

傷病などが原因で思い通りに体を動かすのが難しく、ベッドに寝たり車椅子に座った状態で長く過ごされる方は、 その期間が長くなると手足が硬くなって伸びにくくなったり、体が曲がったり傾きやすくなったり、 よい姿勢を保つことが難しくなります。

想像してみてください。 そのような姿勢で長くいることで、褥瘡(床ずれ)は予防できますか? テレビや本を見てゆっくりと過ごすことができますか? 呼吸はしっかりできますか? 食事はしっかりとれますか?

体の硬直から体を動かしづらく褥瘡が発生。 意欲やコミュニケーション力の低下。 胸部が開きにくいことで呼吸・心肺機能の低下。食事の飲み込みづらさから食欲不振や胃の容量低下。 さらには浮腫や静脈血栓、拘縮など重症化していくことも考えられるでしょう。

ご家族の介助

介助が必要なご家族の姿勢を正しく保つことは、その方の健康を守ることにつながります。 介助中の無理のない動作サポートでよい姿勢を保ち、介助する側、される側、互いが望むより快適な暮らしを実現しましょう。

適切な体重分配で
体を安定させましょう

重症化を予防するために、ご自宅や入院している病院で家族に対し簡単にできることがあります。 それは大小クッションやタオルをいくつか用意し、図にあるポイントで体重が支えられる状態を作っていくことです。

座位
座位の体重分配

(1)坐骨 (2)大腿中枢部 (3)足底、背もたれがある場合は、(4)胸郭後面でしっかり体重を支えます。 車いすを使っている方の場合は、足置きの高さなどを微調整することで(2)大腿 (3)足底に体重が分散され、 快適な姿勢をとることができます。

また、背当てや座面クッションの形状や材質など、体に合ったものを選ぶことでより快適な姿勢を作り、 麻痺による痙縮が緩和する、褥瘡が予防できるなどの効果が見込まれます。


臥位
臥位の体重分配

寝ているときも同様で、体重を支えるポイントがあります。 (1)後頭部 (2)胸郭 (3)骨盤 (4)大腿(太もも) (5)下腿(ふくらはぎ) (6)踵(もしくは足底)で しっかり支える必要があります。

逆に首、腰、股関節、膝、足首など関節では体重はかけない方がより落ち着いた姿勢となります。


クッションはご自宅にあるものでも結構ですが、特殊な素材の介護用品としての専門的なクッションもあります。 体の形は人それぞれ。 その人に合った姿勢を作ることが健康を守ることにつながります。 クッションの選び方や入れる場所などに困ったら、リハビリテーション部スタッフにご相談ください。

リハビリテーション部

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