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低血圧症

血圧とは

チャート「血圧値の分類」

血圧値の分類

日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン 2014

血圧とは、血液が流れるとき血管の内壁にかかる圧力のこと。 心臓が縮んで全身に血液を送りこむときにかかる力を収縮期血圧(最高血圧、上の血圧)、 心臓が拡張して血液が心臓に戻るときにかかる力を拡張期血圧(最低血圧、下の血圧)といいます。

同じ人でも測定するときの体調や時間帯、場所、季節などによって血圧は異なります。 また、年齢や性別、もっている疾患や服用している薬など、人によっても異なりますので、単純に人と比較することはできません。

低血圧の判断基準は?

低血圧の定義はありません。 一般に収縮期血圧が100mmHg以下のとき低血圧といいますが、病気ではないため特に治療の必要はありません。 しかし、何らかの症状があり生活に支障がある場合には、低血圧症と診断され治療が必要となります。

症状

低血圧症の症状の例

症状には、めまいや立ちくらみ、頭痛、動悸、頻脈、全身倦怠感などがあり、失神することもあります。 その他、朝起きられない、不安感、不眠、食欲不振などの精神症状もみられます。 病気と受け取ってもらえない、「怠けている」と誤解される、うつ病の症状と似ているため誤診されるなど、 低血圧症に対する周囲の無理解に悩む声も聞かれます。

原因と分類

低血圧症は原因により以下の4つに分類されます。

本態性低血圧
原因が明らかでないが血圧が低下するもの
症候性(二次性)低血圧症
他の疾患、降圧剤や向精神薬など薬の影響で血圧が低下するもの
起立性低血圧症
急に立ちあがったり長時間立っていたりしたときに、自律神経による血圧の調節がうまくできず血圧が低下するもの
食事性低血圧
食事により胃腸の血流が増加することで全身の血流が減少し、血圧が低下するもの

治療

治療は原因により、血圧を上げる薬や自律神経を整える薬など内服治療が行われます。 疲労やストレスが原因となっていることもあるので、生活を振り返り、規則的な生活を心がける、休息するなど、 リラックスして過ごす時間をつくりましょう。


循環器科 中村隆澄

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