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ノロウイルスによる感染性胃腸炎
ノロウイルス 感染しない、拡げない。
ノロウイルスとは
毎年、冬になるとその流行が話題となる、ノロウイルス。 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は1年を通して発生していますが、 特に11月から2月の寒い時期にその報告数が増えています。
感染経路は3つ
強い感染力
感染性が高く、集団感染が起こりやすいのが特徴で、家庭や職場、学校、病院や施設など、 多くの人と接する場所で感染が広がる恐れがあります。 感染経路は、以下の3つ。
- 人から人へ
- 感染者の吐物や便の処理が不十分で人から人へ、また処理しきれなかった吐物などを吸い込んで体内に入り感染
- 人から食品、食品から人へ
- 感染者が調理した食品を食べることで感染
- 食品から人へ
- ウイルスが蓄積した食品を、生や十分に加熱しないで食べることで感染
強い生命力
また、乾燥した状態でも、4℃では8週間程度、20℃で3〜4週間生存すると言われています。
汚染されたものを確実に消毒・殺菌し、ウイルスの活動を止めることがもっとも重要です。
症状は
感染から発症までの期間は1〜2日で、主な症状は突然の吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱は軽度です。 通常、症状が1〜2日続いた後治癒し、後遺症もありません。 また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
重篤な例はまれですが、高齢者や子ども、病気中の方など抵抗力が低い方は、重症化しやすいため注意が必要です。
また、症状がなくなっても、1週間程度は便からウイルスが排出されている恐れがあるため、慎重な感染拡大防止の対策が必要です。
脱水症状を防ぐため、スポ
ーツドリンクなどでこまめ
に水分を補給しましょう。
ウイルスの排出を妨げ、回
復が遅れることがあるため、
下痢を止める薬は服用しな
いでください。
治療は
現在、ノロウイルスに対するワクチンや治療薬はありません。 安静と水分補給を心がけてください。 スポーツドリンクなどの経口補水液で補給するとよいでしょう。
乳酸菌製剤などの整腸剤、吐き気止めが用いられます。 下痢止めの薬は、ウイルスが排出されるのを妨げ、回復が遅れることがありますので、使用しないでください。
脱水症状がひどいときは、速やかに受診してください。
院内感染対策委員長 信國圭吾