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「高齢者糖尿病の薬剤選択」「動脈硬化を目で見てみよう」

2017/12/20 7階多目的ホール 第56回糖尿病勉強会

「高齢者糖尿病の薬剤選択」

内科 吉井 和也

内科 吉井 和也

高齢者糖尿病の薬剤選択

高齢の糖尿病患者さんには治療目標を柔
軟に設定したり、薬を見直し、合剤にす
るなど問題解決のためにさまざまな提案
もしています!

糖尿病患者数を年代別でみると、60代から80代が圧倒的に多くなっています。 高齢の方は認知機能やADL(日常生活動作)の低下、併存疾患をもつ方が多く、 さらに低血糖が重症化しやすいなどの特徴があります。

併存疾患をもつ方は飲んでいる薬の種類も多くなり、認知機能も低下すれば、薬の飲み忘れや間違いが多くなります。 認知機能の低下が進めば薬の管理が難しくなる上、ADLも低下すると、介助者の負担も増えてきます。 重症低血糖になれば、昏睡など危険な状態に陥ることもあります。

糖尿病の治療は、患者さんの状態にあわせて個別に設定します。 高齢の方ではさらに、これらの特徴を踏まえて治療目標を柔軟に設定しています。 また、作用の異なる複数の薬を配合した合剤や、週1回の服用で効果が長く続く薬を処方するなどして、 薬の量や飲む回数を減らし、飲み忘れや間違い、介助量の減少を図っています。 低血糖の危険が高まる薬の処方については慎重に検討しています。

主治医は患者さん一人一人に合った治療目標を設定し、薬を処方しています。 処方されている薬や用法などでご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。


「動脈硬化を目で見てみよう」

臨床検査技師 山崎 由紀

臨床検査技師 山崎 由紀

勉強会参加者のうち、希望された方に
実際に超音波検査を体験していただき
ました。血管の中の状態が映し出され
ると、みなさんモニタ―に釘づけ。

動脈硬化の進行

糖尿病になると動脈硬化が起こりやすくなります。 血糖値が高い状態が続くと血管自体が硬くなったりもろくなったり、血管の中にヘドロのようなものがたまったりします。 それが動脈硬化です。

このヘドロのようなもので血管がせまくなって詰まったり、 ヘドロがはがれてその先の細い血管に詰まったりすると 脳梗塞や心筋梗塞などといった重大な合併症を引き起こしたりすることがあります。

しかし動脈硬化は自覚症状がないため、かなり進行し合併症をきたすまで気がつかないこともあります。

そこで有効なのが頚動脈超音波(エコー)検査です。 簡便で痛みもなく、血管内を目で見ることができ、全身の動脈硬化の状態を推測することができます。

重大な疾患が起きる前に、ご自身の血管の状態を調べておくことはとても大切です。 定期的に検査を受けてみてはいかがでしょうか。

頚動脈超音波(エコー)検査 

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