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脳神経外科で行われる検査とその役割

2013/05/10 7階多目的ホール 第28回脳と神経の勉強会

主力検査はCTとMRI

脳神経外科で行われる検査の中で、CTとMRIはかなり万能な検査と言えます。 脳梗塞や脳出血、脳動脈瘤、先天異常、脳腫瘍、水頭症など多くの診断が可能で、単純撮影の場合は痛みもありません。

CTは出血の診断に強く、くも膜下出血や頭部外傷による頭蓋内出血を疑う場合の検査として非常に有用で、 撮影時間が短いのもメリットです。 放射線を利用するため被曝を気にする方がいらっしゃいますが、被曝量は極めて微量で健康被害を心配するほとではありません。

MRIは出血以外の診断に強く、脳梗塞や腫瘍などの検査として有用です。 撮影時間は比較的長いのですが、放射線ではなく磁気を利用しているため被曝はありません。 ただし、磁石に反応する金属類に影響しますので、 体内にペースメーカーなどの医療機器を埋め込んでいる方は検査を受けられない場合があります。 当院には、1.0テスラと磁力強度が強い3.0テスラのMRI機器があり、患者さんの状態や得ようとする画像により使い分けています。

脳血管撮影

脳内の血管の状態をみるための検査。 CTやMR機器の性能向上により、検査としての件数は減少してきました。 血管の狭窄をひろげたり腫瘍栄養血管を閉塞するなどの血管内手術には必須です。

頸動脈エコー

首の動脈の詰まりをみるための検査。 首から超音波をあて返ってくる信号をもとに内部の状態を画像化します。

SPECT

脳血流検査として行う場面を例に説明します。 血流そのものや血流の予備能力(手術を急ぐのかそれほど急ぐ必要がないか)などの決定に役立ちます。 明るいほど血流豊富です。

脳波検査

てんかんやけいれんのある方に、脳のどこに異常があるのかをみる検査で、単独で行うことは少なく、補助検査として実施。 抗けいれん剤効果の評価や治療の続行・中止の判定にも利用します。

MEP・ABR

術中モニターとして使用する場面を例に説明します。 MEPは脳にセンサーを貼り付けて手足を動かしている部分の脳波形を、ABRは音を聞かせて脳幹部の電位を得ます。 麻痺を起こしやすい部分の脳や脳幹の機能を評価しながら、 脳外科領域では非常に困難とされる部の手術を安全に実施するのに役立てています。

腰椎穿刺

腰に針を刺し、髄液の性状をみる検査。 髄膜炎や、CTでは写らない程度の微量な出血量のくも膜下出血の発見にも役立ちます。

視野検査

見える範囲を測定する検査。 脳内に異常があると、範囲が狭くなったり欠けたりするため、異常のある部位が視野に関わる場所であるとき補助的に行います。

心電図・心臓エコー

術前に心臓が脳の手術に耐えられるか判断したり、脳梗塞の原因となる不整脈や弁狭窄、心内腫瘍がないかをみるために実施します。

動脈硬化検査

動脈硬化の程度を数値化して表します。

脳神経外科

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