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「パーキンソン病患者さんに対する遠隔診療について」「治療と日常の問題点」

2018/12/8 高知市立自由民権記念館 高知パーキンソン病フォーラム

いずみの病院 脳神経センター長・パーキンソン病外来担当医 清家真人

いずみの病院 脳神経センター長・
パーキンソン病外来担当医 清家真人

パーキンソン病患者さんに対する
遠隔診療について

2001年11月から2018年6月までに当院で行った、パーキンソン病に対する脳深部刺激術(DBS)の症例数は210例。このうち約1/4が高知県外の患者さんです。手術後、退院された患者さんには経過を診させていただくため定期的な外来受診をお願いしています。そのため、離れた地域に暮らす患者さんの、通院における時間的・経済的・肉体的負担の軽減が課題となっていました。

 そこで、当院脳神経センターでは、担当医が必要と認めたパーキンソン病患者さんに、遠隔診療をご提案。機器購入等にご承諾いただけた患者さんに対して遠隔診療を行っています。

 遠隔診療とは、離れた場所にいる患者さんをインターネットなどの通信技術でつないで行う診療のこと。これまで、対面診療を原則とした医師法により禁じられていましたが、近年、慢性疾患患者さんの一部で規制が緩和され、再診に限り医療として認められています。

 当院の遠隔診療は完全予約制です。ご予約の日時に患者さんのタブレット端末に医師から着信がありますので、応答していただきます(当日の状況により、時間は多少前後する場合があります)。タブレット端末の操作は簡単で、80代の一人暮らしの方も問題なく操作していただいています。また、遠方に暮らすご家族とつないで3者で顔を見ながら会話することも可能です。なお、数カ月に一度は実際に来院して診察や検査を受けていただく必要があります。

 通院における患者さんの負担が軽減され、楽しい時間を過ごされるよう願っています。



東京都立神経病院 脳神経内科 横地 房子 氏

東京都立神経病院 脳神経内科 横地 房子 氏

治療と日常の問題点

全国パーキンソン病友の会 高知県支部・製薬会社様の共催で開催されている『高知パーキンソン病フォーラム』。毎年、パーキンソン病の治療や研究の分野で活躍される方を県内外からお招きし、患者さんやご家族、医療関係者などを対象にご講演をいただいています。  今年は、東京都立神経病院 脳神経内科、横地房子さんがお越しくださいました。

運動症状の一つであるふるえは、病気の進行とともに悪化する症状ではありません。緊張したときや寒くなったときに筋肉の固縮が強くなり、ふるえが現れます。体を温めましょう。歩き出しの一歩が出にくいすくみ足については、現在、歩きやすい方法を検証中です。解析が進み発表できればうれしく思います。動かさないと筋力は低下し、関節は固まります。体や表情を自分で動かしましょう。

 睡眠障害・認知機能障害・精神症状など非運動症状の方が治療に難渋します。脳の細胞も活性化しないと衰えます。家にいるよりも外に出ましょう。デイを利用するなど積極的に楽しみ、脳を刺激しましょう。「できないこと」を探して落ち込むのではなく、「できること」を見つけて楽しみましょう。  姿勢を正して、口元を引き締めて、おしゃれして、かっこよくいきましょう!


東京都立神経病院 脳神経内科 横地房子氏

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