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認知症患者数が増加しているワケ

2017/06/02 7階多目的ホール 第77回脳と神経の勉強会

第77回脳と神経の勉強会のようす

認知症は身近な病気です

団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年頃までに、 高齢者人口は約3500万人(人口比約3割)に達すると言われています【下グラフ】。


75歳以上の高齢者数の急速な増加

(資料)総務省統計局「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)出生中位(死亡中位)推計

75歳以上の高齢者数の急速な増加

認知症は脳疾患や加齢などさまざまな原因で、記憶障害や見当識障害、判断力低下などの症状が現れる病気です。 原因疾患を治療すれば症状がなくなる可能性のある場合もありますが、加齢による脳の老化は防ぐことができません。 高齢者の人口が増えれば、認知症患者数が増加するのは当然のことなのです。

歳をとれば誰でも認知症になる可能性があります。 ご家族やお友達、あるいは自らも発症する可能性は決して低くはありません。 高齢化が進む今、認知症を恥ずかしがる時代ではないのです。

認知症を恐れない社会の構築を

認知症は専門医による適切な診断と早期治療で、進行を遅らせることができます。 ご家族や近所の方が患者さんの変化に気づけるような関わりを日頃からもっていただきたいと思います。

治療は患者さん本人やご家族が中心となりますが、すべてをご家族だけで担うのは負担が大きすぎます。 医療・福祉・介護・関連機関の職員、地域の皆さんすべての協力のもとに、支援体制を築いていかなければなりません。


脳神経外科・もの忘れ外来担当医 楠木 司

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