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「高齢者の糖尿病のお話 〜新しい基準について」

2016/8/24 7階多目的ホール 第48回糖尿病勉強会


内科 吉井 和也

内科 吉井 和也

高齢者もそうでない方も糖尿病治療の3本柱は、食事療法・運動療法・薬物療法です。

しかし、高齢者は心身機能の個人差が著しく、 認知機能を障害したり心血管疾患の危険性を高める原因となる重症低血糖を来たしやすいため、 特に患者中心の個別性を重視した治療を行う必要があります。

高齢者が使いやすい薬の選択

認知機能が低下すると服薬を忘れやすく、管理する家族の負担も大きいため、服薬回数の少ない薬が望まれます。 最近、週1回の注射でコントロール可能な製剤が発売されました。 週1回服用の内服薬も開発中のようです。

また、重症低血糖を考慮して、低血糖を起こしにくい薬剤を選択します。

高齢者糖尿病の血糖コントロール目標

血糖の目標値は患者さんの健康状態や認知機能、身体機能などを考慮して個別に設定します。 重症低血糖が危惧される場合は、目標下限値を設定し、より安全を考慮します。 高齢者の場合ではこれらを考慮しながらも、柔軟に対応できる目標値を設定します。

高齢者糖尿病の血糖コントロール目標

右表は「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」です。 患者さんの認知機能やADL(日常生活動作)、服用している薬剤により、7つの分類から目標値を設定します。


ご自身の状態を理解しましょう

糖尿病治療の第一歩は、糖尿病を理解すること。 自分の糖尿病の状態を把握するため、月に1回は専門医を受診して検査を受け、HbA1cの値を確認しましょう。


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