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「パーキンソン病と食事・嚥下」「パーキンソン病と呼吸機能の関係」「パーキンソン病の病態と最近の治療について」

2015/11/14 高知市立自由民権記念館 高知パーキンソン病フォーラム

パーキンソン病への理解を深めてもらおうと、パーキンソン病友の会高知県支部の皆さんらが毎年開催しているフォーラム。 医師や療法士から専門的な知識や治療の動向を学ぼうと、患者さんやご家族、市民の方々が熱心に聴講されました。

高知パーキンソン病フォーラムのようす

パーキンソン病と食事・嚥下

いずみの病院 脳神経センター長・パーキンソン病外来担当医 清家真人

いずみの病院 脳神経センター長・
パーキンソン病外来担当医 清家真人

パーキンソン病患者さんの約50%に、摂食・嚥下障害がみられます。 摂食・嚥下障害とは、食べる、飲み込むという一連の動作に障害があること。 障害があると、口の中の清潔を保つのが難しくなり、菌が発生しやすくなります。 口の中の菌が肺に入ると肺炎の原因になります。

摂食・嚥下機能は、嚥下造影で評価できます。 バリウムを含む飲食物を飲み込んでもらい、一連をレントゲン撮影する検査です。 むせる、うまく食べられないなどの症状がみられたら、担当医に相談してください。


パーキンソン病と呼吸機能の関係

呼吸補助筋肉ストレッチ体操 いずみの病院 リハビリテーション部・理学療法士 坂本 直哉

左:呼吸補助筋肉ストレッチ体操
右:いずみの病院 リハビリテーション部・理学療法士 坂本 直哉

呼吸は首・胸・背中の筋肉が補助しています。 パーキンソン病の症状が進むと、姿勢異常や筋肉の固縮などが現れ、これらの筋力が弱くなります。 これにより肺が動きにくくなり、浅い呼吸となり数が増えます。 そうすると呼吸補助筋が硬くなる、胸郭が硬くなる、という悪循環になるのです。

呼吸機能の低下は必ず生じるものではありませんが、機能を維持するためには早期からの取り組みが必要です。 詳しくは、主治医やリハビリスタッフにご相談ください。


パーキンソン病の病態と最近の治療について

高知大学医学部付属病院・神経内科 教授 古谷博和氏

高知大学医学部付属病院・神経内科
教授 古谷博和氏

パーキンソン病の症状には、筋肉の振るえやすくみ足などの運動症状の他に、 異常に神経質になる、思考がスローになるなどの非運動症状があります。 最近は、運動症状が出現する5〜20年前から非運動症状が出てもおかしくないと言われています。 また、パーキンソン病の患者さんでは、ドパミンだけでなく、 セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質も減少していることが分かりました。

早期発見・早期治療、原因究明、治療法の確立が期待されています。


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