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認知症高齢者と車の運転

2015/10/09 7階多目的ホール 第57回脳と神経の勉強会

第57回脳と神経の勉強会のようす

認知症高齢者の交通事故増加

昨年75歳以上の高齢者が起こした471件の死亡事故の4割近く、 また2010年から4年間に発生した高速道路逆走837件の1割近くで、運転者に認知機能低下の疑いがありました。 認知症の疑いのある運転免許保有者は約30万人と言われています。 これに対処するため道路交通法を改正。 2017年6月までに高齢者の免許更新時、認知機能チェックが義務づけられることになりました。

認知症状が及ぼす自動車運転上の危険

認知症状が及ぼす自動車運転上の危険

認知症状が及ぼす運転上の危険

認知症では、物・人と自分との位置関係を把握する能力、判断力、注意力などが低下してきます。 これらはすべて車を安全に運転するのに必要な能力で、低下は危険や事故につながります。

たとえ認知症の方でも、加害者になってしまった場合、 たいていは認知症でない方と同じように罪に問われたり、賠償責任を負うことになります。 ご本人に責任能力や支払う能力がないと判断された場合には、ご家族が監督責任を問われることもあります。


運転卒業をご家族で支援

判断力があるうちにご家族で話し合い、あらかじめ免許証返納や廃車の時期などを決めておくとよいでしょう。 また、運転しなくても不便がないよう、ご家族で生活を支えていく心構えが大切です。


脳神経外科・もの忘れ外来担当医 楠木 司

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