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「糖尿病の3大合併症」 「お塩のはなし」

2015/8/26 7階多目的ホール 第42回糖尿病勉強会


糖尿病の3大合併症

内科 吉井 和也


内科 吉井 和也


3大合併症の症状と経過

3大合併症の症状と経過

高血糖の状態が続くと、神経に栄養を供給する細い血管が詰まって、 目や腎臓、足や手などの神経が障害され、合併症を引き起こします。 糖尿病は血糖・血圧のコントロールで上手につきあうことができますが、 合併症はなってしまってからではなかなか修復できません。 医師・看護師・管理栄養士などと協力し、合併症にならないようにすることが大事です。

糖尿病網膜症

初期では症状がなく、進行してから視力低下や視野障害が出現。 失明の恐れも。 定期的に眼科を受診して、眼底検査を受けましょう。

糖尿病腎症

初期には症状がなく、進行すると尿に蛋白が排出。 さらに進行すると老廃物や水分・塩分の排泄が損なわれ、腎不全に至ると人工透析か腎移植が必要に。 定期的に尿検査を受けましょう。

糖尿病神経障害

手足などの末梢神経、心臓や胃腸などの働きを司る自律神経に障害が起こり、動きが悪くなります。 初期には足先のしびれや痛み、進行すると神経が死滅して痛みを感じにくくなります。 足先を十分に観察して。


お塩のはなし

管理栄養士 吉良 淑子


塩分を摂りすぎると、血圧が上昇します。 高血圧は、動脈硬化を起こす悪習慣の一つ。 動脈硬化は脳や心臓、腎臓の血管障害の原因です。

毎日の食事で減塩のポイントを意識して、摂取量を減らしましょう。

食材は新鮮なものを利用して、素材そのものの旨み・甘みを活かして減塩しましょう。 野菜はたっぷり、果物は適量を。

調味料の塩分含有量 大さじ1杯15mlあたりの塩分量

調味料の塩分含有量
大さじ1杯15mlあたりの塩分量

調味料の塩分含有量を知り、使うときに意識しましょう。 しょうゆはだし汁や酢と、みそはマヨネーズとなど、含有量の多い調味料と少ない調味料を半量ずつ混ぜて、 減塩調味料を作るのもよいでしょう。 人工だしは塩分高め。 毎回は無理でも、できるだけ自然のだしを使うとよいでしょう。

調味料は食卓に置かず、かけるのではなくつけるなど、使い方にも注意

即席のめん・味噌汁についている調味料は、全量を入れると濃い味に。味をみて量を調節しましょう。

味覚は必ず慣れます。 薄味と感じてもしばらく続ければ、外食を濃く感じるようになるでしょう。 1日1g減塩すれば、1週間で7g、1カ月で30gの減塩に。 塩分を減らせば、糖分も減らせます。ぜひお試しください。

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