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難病にかかわる医療費助成の新たな制度

2015/06/05 7階多目的ホール 第53回脳と神経の勉強会

第53回脳と神経の勉強会のようす

自己負担限度額

自己負担限度額 (月額・単位:円)
( )内は既認定者、3年間の経過措置

安定・公平な制度実現のために

2015年1月、難病の患者に対する医療費等に関する法律(難病医療法)が施行。 これまで研究事業として行われてきた難病医療が初めて法制化されました。 より安定的で公平な制度とするのがその目的とされています。

しかし、既認定者の多くは3年間の経過措置終了後、負担額増に。 一定以上の自己負担があれば特例となる場合がありますので、知っておくとよいでしょう。

難病医療費助成、こう変わる

対象疾患の拡大

従来の56疾患から306疾患に拡大、患者数も78万人から150万人に増加。 軽症の方は対象外ですが、自己負担額が大きい方は対象に(図中・軽症者特例)。

自己負担額の変更

自己負担を3割から2割に引き下げ(1割の方はそのまま)。 一方で、従来自己負担のなかった重症例でも一定の自己負担が求められるように。

自己負担額上限は月3万円

助成対象となるのは、対象疾患の治療費、薬代、訪問看護・訪問リハなどの利用料。 保険外診療の費用、対象疾患以外の治療費などは対象外。 入院時の食費も一般の入院患者と同様、全額患者負担に。 自己負担が大きい方の一部には減額措置があります(図中・高額かつ長期)。

助成費用は国と都道府県が半額ずつ負担

財源には消費増税分があてられます。

指定医療機関・指定医の指定

都道府県知事から指定された医療機関での医療費のみ助成が受けられます。 また、助成の申請に必要な書類は指定を受けた医師のみが作成できます。 指定医療機関・指定医は、高知県のホームページまたは受診医療機関で確認を。 当院は難病指定医療機関の指定を、私を含む複数の医師が難病指定医の指定を受けています。


脳神経センター長・パーキンソン病外来担当医 清家 真人

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