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脳梗塞の種類と危険因子 治療と予防について

2015/05/01 7階多目的ホール 第52回脳と神経の勉強会

脳梗塞の種類と危険因子

脳梗塞の種類と危険因子

脳梗塞の種類と危険因子


脳梗塞には、直径1〜4mmの太い血管が硬化することで起こるアテローム血栓性梗塞、 1mm以下の細い血管が硬化することで起こるラクナ梗塞、 心臓内の血栓が血流にのって脳の血管で詰まる心塞栓性梗塞があります。

脳梗塞発病後、最初の数日間がもっとも重症化しやすく、治療により1〜2週間で落ち着いてきます。 脳梗塞の再発率は、発病からの5年間でおよそ30%。 発病後1年間でおよそ10%、その後毎年5%程度の再発がみられます。

第52回脳と神経の勉強会のようす

血圧、HbA1c、コレステロール値を定期的に
検査し、目標値をめざして治療しましょう。

脳梗塞の危険因子として、高血圧や糖尿病、高脂血症などがあげられます。 再発の予防には、原因となる疾患への対応が重要です。 まずは食事内容の見直しなど生活習慣の改善を行っていただきますが、それでは不十分な場合、薬による治療を行います。 少なくとも再発の危険が高い発病後1〜2年は、薬の服用を続けていただきたいと考えます。

主な治療薬の種類

抗血小板薬

血小板がもつ止血の働きを妨げます。 血液が固まるのを阻止して血管を詰まりにくくします。

高血圧治療薬

高血圧の場合、脳梗塞の発症リスクは収縮期血圧160mmHg以上で3.46倍、 拡張期血圧95mmHg以上で3.18倍に。 140/90mmHgを目標に治療しましょう。

糖尿病治療薬

糖尿病の場合、脳梗塞の発症リスクは男性で1.6倍、女性は3.0倍に。 HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)6%未満を目標に治療しましょう。

脂質代謝治療薬

総コレステロール240mg/dL以上で脳卒中による死亡リスクが高く、 310mg/dL以上で脳梗塞の発症リスクが高くなります。 LDL-C(悪玉コレステロール)120mg/dL未満、HDL-C(善玉コレステロール)40mg/dL以上、 TG(中性脂肪)150mg/dL未満を目標に治療しましょう。 LDL-Cを下げることで、リスクは約20%減少します。

その他

必ず改善できるという確証はありませんが、コレステロール管理と合わせて、 EPA(イコサペント酸エチル)製剤を服用することで、リスクをさらに減少させることができる場合があります。


脳神経外科

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