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パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係

2015/03/06 7階多目的ホール 第50回脳と神経の勉強会

第50回脳と神経の勉強会のようす

どちらもレビー小体病の病態の一つ

パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係

パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係


新たに提唱され注目されている、レビー小体型認知症。 その主な症状は、もの忘れ、頭がはっきりしているときとそうでないときの差が激しい、ボーッとしているときが多い、 幻視や妄想、睡眠中に大声で叫んだり激しい体の動きがある、転倒や失神を繰り返す他、 手足の筋肉のこわばりやふるえ、表情が乏しくなるなどパーキンソン病に似た症状がみられます。

パーキンソン病とレビー小体型認知症はどちらも、レビー小体という脳の神経細胞に何らかの影響を与える構造物が出現する、 レビー小体病の一連の病態の一つと考えられます。 レビー小体のみられる範囲が脳幹か脳全体かによって鑑別されますが、 CTやMRIなどで見ることができず死後に脳の細胞を顕微鏡で観察して確認できるもので、 生前に鑑別することはできません。

パーキンソン病患者に多い認知症

パーキンソン病の方はそうでない方に比べ4〜6倍の頻度で認知症をきたしやすく、 パーキンソン病の方の約3割、発症から10年以上経過した方では約7割に認知症がみられます。 パーキンソン病発症から1年以上経過後に認知症を発症した場合を認知症を伴うパーキンソン病、 それ以前に認知症を発症していた場合をレビー小体型認知症と呼び、別の病態として扱っています。

認知症を伴うパーキンソン病は、意欲低下や無関心、抑うつ、不安、日中の過度の眠気などを伴う頻度が高いと言われます。 できるだけ脳の活性度を落とさないよう、生活を活気のあるものにしましょう。 中でも会話は大切です。 しっかり聞いて理解し話す他人との会話は脳を活性します。 関心がない、面倒だなどと理由をつけず、デイサービスなど他人と関わる機会をもちましょう。


脳神経センター長・パーキンソン病外来担当医 清家 真人

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