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パーキンソン病とパーキンソン症候群 違う病気なんだ!

2014/10/03 7階多目的ホール 第45回脳と神経の勉強会

第45回脳と神経の勉強会のようす

パーキンソン病とパーキンソン症候群

手のふるえや筋肉のこわばり、歩きにくさなどパーキンソン病のような症状をきたすと、 “パーキンソン”と診断されることがあるようですが、“パーキンソン”という病名はありません。

パーキンソン病の4大症状

パーキンソン病の4大症状

パーキンソン病を含め、パーキンソン病のような症状をきたす疾患の総称を、パーキンソン症候群といいます。 パーキンソン症候群には、パーキンソン病の他、多発性ラクナ梗塞、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、 パーキンソン病類縁疾患、薬剤性パーキンソン症候群などがあります。 それぞれ原因が違うため、しっかりと診断しておかないと治療が成り立ちません。

パーキンソン症候群とは

パーキンソン病のような症状をきたす疾患の総称です。以下のような疾患が含まれます。

  • パーキンソン病
  • 多発性ラクナ梗塞
  • 慢性硬膜下血腫
  • 正常圧水頭症
  • パーキンソン病類縁疾患
    進行性核上性麻痺、多系統委縮症、大脳皮質基底核変性症など
  • 薬剤性パーキンソン症候群  他

問診とMRI検査で 診断は明確に

パーキンソン病は、ゆっくりと進行し、手足のふるえから始まることが多く、 初期には必ず左右差があり、ふるえは安静時に強くなるといった特徴があります。 そのため問診では、いつ頃、どんな症状から始まり、左右の手足に症状の差があるか、どんなときに症状が出やすいかを伺います。 「1〜2ヶ月前から」「急に」「両手が」「物を持ったときにふるえる」「歩きにくさから始まった」などの場合は、 パーキンソン病の特徴とは一致せず、パーキンソン症候群である可能性が高まります。

次に、頭部MRI検査で、血管に詰まりがないか、血液や髄液がたまっていないか、 腫瘍がないかなど、脳内に病気がないか確かめます。

MRI画像に明らかな異常が認められない場合は、パーキンソン病類縁疾患との鑑別が必要です。 これらは画像に特徴的な兆候があるため、ある程度鑑別が可能です。 また、精神病薬などの副作用による可能性を疑い、現在服用している薬や服用を始めた時期などを伺います。

正しい診断で 適切な治療を

パーキンソン病と、それ以外のパーキンソン症候群は、症状は似ていますが、まったく別の病気です。 最初の診断を間違うと、十分な治療効果が得られません。 脳神経外科や神経内科で正しい診断を受けて、適切な治療を受けましょう。

脳神経センター長・脳神経外科部長・パーキンソン病外来担当医 清家 真人

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