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脳梗塞の種類と治療

2014/05/02 7階多目的ホール 第40回脳と神経の勉強会

脳卒中の病型分類と発症割合

脳卒中の病型分類と分類別発症者割合

脳卒中の病型分類と分類別発症者割合

我が国の死亡原因の1/3は、心疾患・脳血管疾患(脳卒中)といった動脈硬化を原因とする疾患です。 また、寝たきりや要介護の状態となる原因の第1位は、脳血管疾患となっています。

脳卒中は、血管が詰まって起こる脳梗塞と、血管が破れて起こる脳出血やクモ膜下出血に分類されます。

また、この分類別による発症者の割合は、脳梗塞62%、脳出血25%、クモ膜下出血13% (脳卒中対策に関する検討会中間報告書:秋田県脳卒中登録より)と、 半数以上が脳梗塞となっています【右グラフ】。

原因を知って予防しよう

脳卒中を引き起こす主な原因は、動脈硬化。 動脈硬化は、血管の壁が硬くなったり厚くなったりする老化現象によって本来の構造が壊れ、 血管が詰まったり破れたりしやすくなっている状態です。

原因として、高血圧がもっとも強く影響します。 他に、高脂血症・糖尿病・喫煙・肥満など。食生活や運動、睡眠、ストレス、飲酒、喫煙など生活習慣を見直しましょう。 禁煙歴5年で危険性は吸わない人と同程度にすることができます。

動脈硬化の有無は、エコー検査やMRI・CTによる造影検査で調べることができます。

治療とリハビリテーション

発症からの経過時間によってそれぞれ適切な治療法が選択されます。

発症2週間以内の急性期では、血管の詰まり(血栓)が作られる働きを阻害する、 血液の粘稠度を下げて固まりにくくするなどの治療を行います。

中でも、発症数時間の超急性期では、血栓を注射で溶かしたり、カテーテルや手術で除去したりする治療が選択されます。 カテーテル治療は、血管内に軟らかい管を入れ血栓をワイヤで絡め取ったりスポイトのように吸い出したりして除去するものです。 成功すれば効果は高いのですが、成功しても症状が変わらない場合もあり、 また、失敗すると脳出血やクモ膜下出血になったりするリスクがあるため、専門の医師にしか行うことができません。 対して、血栓を溶かす静脈注射(t-PA)は、カテーテル治療と比べても結果にほとんど差がなくリスクも低いため、 選択されるケースが増えています。 当院でもt-PAを施行しています。

発症数週間以降の慢性期には、血栓ができにくくなる薬や血液が固まりにくくなる薬を服用して、再発防止のための治療を行います。

また、筋肉がこわばって動きにくくなる後遺症に対しては、 筋肉のこわばりを緩めて関節を動きやすくするボトックスという治療があり、当院でも脳神経外科の外来で行っています。

脳神経外科

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