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「糖尿病三大合併症 早期発見のために」「考えてみよう!お口の病気」

2013/10/23 7階多目的ホール 第31回糖尿病勉強会


糖尿病三大合併症 早期発見のために

内科・糖尿病外来担当医 西岡真理子


内科・糖尿病外来担当医 西岡真理子

高血糖を放置した場合の合併症の進行

高血糖を放置した場合の合併症の進行

糖尿病の三大合併症は、神経障害、網膜症、腎症です。 血糖値が高い状態を放置すると、5年ほどで神経障害を、7〜8年で網膜症を、10〜15年で腎症を発症すると言われています。 さらに悪化すれば、足切断や失明、透析が必要になるなど、生活に重大な障害をもたらします。 実は糖尿病腎症は、透析を始める原因となった疾患の第一位なのです。

糖尿病合併症の発症予防・早期発見・進行抑制には、以下を実施・検査し、定期的にチェックすることが重要です。 

  • 糖尿病専門フットケアを受ける
  • 定期的に眼底検査を受ける
  • 血糖値・脂質・尿中アルブミン値などを測定し、管理する
  • 血圧や体重を測定し管理する

合併症予防のための血糖(HbA1C)の目標値は、7.0%です。 良好なコントロールを保ちましょう。 また、たばこを吸う人は吸わない人に比べて腎症になる危険性が2倍という報告もあります。 禁煙を心がけましょう。 食事では塩分やたんぱく質を摂りすぎないよう注意しましょう。

糖尿病専門フットケアは、当院でも行っています。 主治医または内科外来まで、お気軽にお問い合わせください。


考えてみよう! お口の病気

歯科衛生士 隅川幸枝


糖尿病とお口の病気は関係が深い。 自分のお口の中を見直してみてください。

血糖値が高い状態が続くと尿の量が多くなり、のどや口の中が乾きやすくなります。 また、糖尿病の薬の中には、口の中を乾燥させるものもあります。 唾液が少なくなると、口の中を清潔に保つ作用が十分でなくなり、細菌が繁殖して歯垢がたまりやすくなります。

歯周病の原因は、この歯垢。 歯垢は、歯と歯茎の間の歯周ポケットにたまり、複数の細菌によって形成されるバイオフィルムという粘膜で覆われます。 バイオフィルムは、口の中をゆすぐだけでは取り除けません。 歯を丁寧に磨くことが大切ですが、それだけではすみずみまで完璧に取り除くことはできません。 定期的に歯科を受診して、プロのお手入れを受けるとよいでしょう。

歯周病には、歯茎からよく出血する、歯茎がよく腫れる、口の中がネバネバする、グラグラした歯がある 、歯と歯の間に食べ物がよくはさまる、口臭がある、などの症状があります。 また、口の中で病気が一つ起こると、口の中の他の病気になりやすくなったり、悪化しやすくなったりします。 口の中をきれいに保ち予防を心がけましょう。 悪化する前に、早めに治療を開始することも重要です。

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