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「歯周病は糖尿病の合併症」「災害への備え」

2013/02/27 7階多目的ホール 第27回糖尿病勉強会

糖尿病とは

歯科衛生士  隅川幸枝

糖尿病になると、血管がもろくなって血液の循環が悪くなり体の抵抗力が弱くなり、歯周病菌に感染しやすくなります。 歯周病になると、歯周病菌の内毒素や炎症に関わる物質が増加し、血液中のTNF-αが増加、インスリンの効き目が悪くなり、 血糖コントロールが阻害され、病状を悪化させます。 糖尿病の人は歯周病にかかっている人が多く、血糖コントロールが悪いほど歯周病も悪化し、 歯周病治療をすることで血糖コントロールが改善するなど、糖尿病と歯周病は深く関係しています。 糖尿病の人が歯周病を治療せずに放置すると、糖尿病悪化のスピードを加速させてしまうのです。

歯が浮いたような感じがする、歯肉に赤く腫れた部分がある、歯磨きの後出血することがある、 歯肉から膿が出る、口臭が気になる、歯の間に食べ物がつまりやすい、歯肉がやせて下がってきた、 ぐらつく歯がある、などの症状がある場合は要注意です。 歯科を受診し、歯周病であれば早めに治療を始めましょう。

歯周病予防には、毎日の丁寧な歯磨きが重要です。 歯科医院で定期検診を受けるのもよいでしょう。

災害への備え

看護師  光森睦子

必ずやってくる災害に備え、私たちが準備するべきことはたくさんあります。 糖尿病の人はさらに、治療を継続するための備えと知識が必要です。

治療薬(内服薬・インスリン・針・ブドウ糖)、自己血糖測定器、 糖尿病連携手帳・お薬手帳・保険証を持ち出せるよう準備しましょう。 東日本大震災では避難時も携帯電話やスマートフォンを携帯している割合が高かったそうですので、 治療薬をカメラ機能で撮影して画像を保存しておくと役立つかもしれません。 薬がない場合は医療スタッフに相談し、治療を中断しないようにしましょう。

避難所で配給されることが多いおにぎり・菓子パン・カップラーメンなどの食事は、炭水化物や脂質、 塩分量が多く、カロリーが高くなり血糖コントロールが難しくなります。 日頃から食品のカロリーに留意し、一食500 kcalを目安に摂取し、ときには残す勇気も必要です。

水分は、医師からの制限がない限りできるだけ摂りましょう。 トイレが近くなるからと控えるのは、血糖値上昇につながり危険です。

一番の防災対策は、積極的に治療し日頃から良好な血糖コントロールを保つこと。 その知識が災害時に役立ちます。

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