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あなたの症状は脳の病気かもしれません どんなときに脳神経外科を受診するか

2013/02/01 7階多目的ホール 第25回脳と神経の勉強会

第25回脳と神経の勉強会のようす

気になる症状があっても、どの科に行けばよいのか、すぐに受診した方がよいのか判断がつかず、 受診を先延ばしにされる方は少なくないでしょう。

ここでは、判断の一助となることを期待して、脳に異常があり早急な受診を要する症状の特徴をご紹介します。 ただし、あくまでも一般的な基準であり、さらに症状や程度には個人差があるため、完全に判別できるものではありません。 決して自己判断することなく、気になる症状があれば一度頭部MRI検査を受けられるとよいでしょう。

明らかな異常がなければ、整形外科・循環器科・内科・眼科・耳鼻科など関連が疑われる他の診療科を受診するとよいでしょう。

頭痛

突然の激しい頭痛、意識障害を伴う場合はくも膜下出血の疑い。 どんどん悪化して治らないときも、至急脳神経外科へ。

めまい・ふらつき

浮動性めまい(ふらふら)で、座っていてもふらつくときは脳神経外科受診を。 立ったときだけふらつくときは整形外科的疾患や加齢によるものが多い。

回転性めまい(ぐるぐる)は耳鼻科的疾患によるものが多い。

耳鳴り

左右どちらか一方で脈拍に一致した耳鳴りは、脳神経外科で検査を。

両側のときは高血圧によるものが多い。 明らかな異常がなく原因が不明な場合は、症状に対するご本人の執着が脳に学習させ、症状を継続している可能性も。 趣味や仕事など何かに集中しているときは症状がない場合などはその可能性が高い。

意識消失

意識消失時にけいれん(ひきつけ)があり、20歳以降に初めてけいれんを起こした場合は脳疾患が原因の可能性。 一度脳の検査を。

けいれんが顔面のみのときは神経系疾患の可能性。 けいれんがない場合、8〜9割は心臓の疾患であると考えられるため、循環器科の受診を。

手足のしびれ・麻痺

左右どちらかの手と足、口元と親指のしびれは脳梗塞の可能性。 麻痺を伴うあるいはろれつが回らない、顔面にもしびれや麻痺がある場合は、至急脳神経外科へ。

差はあっても左右に起こっているまたは非常に狭い範囲のしびれのときは、整形外科的・内科的・神経内科的疾患の場合が多い。

言語障害

ろれつが回らない(講語障害)ときは小さな脳梗塞の多発や脳幹梗塞の可能性が、 言葉が出ない・言われていることが理解できない(運動性失語・感覚性失語)ときは左大脳半球の脳梗塞や脳出血の可能性がある。脳神経外科で検査を。

目が見えにくい

物が二重に見える、視野が狭くなった、片方の目が短時間見えなくなった(真っ暗になった)ときは脳神経外科へ。 瞼が下がる、物が二重に見えるのが片方のときは脳神経外科へ、両側のときは神経内科または眼科へ。 目のかすみは眼科的疾患。

脳神経センター長・パーキンソン病外来担当医  清家真人

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