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「高齢者の骨折」「ロコモティブシンドローム」

2012/10/25 薊野西町公民館 比島弥生会講演会

比島弥生会講演会のようす

比島弥生会は、住民の皆さんで作られた町民会。 納涼祭や町内のイベントを企画・運営されるなど、元気に活動していらっしゃいます。

今回は、比島弥生会会長さんからご依頼をいただき、 整形外科医師 武井良憲より『高齢者の骨折』 『ロコモティブシンドローム』についてお話をさせていただきました。

会場となった薊野西町公民館は、いずみの病院からほど近い一軒家のような公民館。 講演を行なう2階の和室には、30人ほどの方がお集まりくださいました。

皆さん、スライド画面をのぞき込み熱心に聞いておられ、 講演が終わると「治療で行なう注射は痛くないか?」「市販されている腰痛ベルトやグルコサミンなどは効果があるのか?」 など積極的に質問が寄せられました。

高齢者は転倒による骨折の確率が高く、介護が必要になった方の5人に1人は 骨・関節・筋等の運動器疾患や骨折・転倒が原因という、深刻なテーマでしたが、時折笑い声に包まれた講演会。 前向きで頼もしいご高齢の皆さんの言葉や笑顔に、こちらが元気をもらった楽しい時間となりました。

地域の皆さんが少しでも長く笑顔のある生活を送っていただけるよう、支援していきたいと改めて感じました。

高齢者の骨折

要介護になった方の5人に1人が骨・関節・筋等の運動器疾患や骨折・転倒が原因です

日常生活で介護を必要とする方の数は年を追うごとに増加しています。 介護が必要になった理由は、「脳卒中」「認知症」「高齢による衰弱」に次いで、「関節疾患」「骨折・転倒」となっており、 「関節疾患」と「骨折・転倒」を合わせると21.5%にのぼります(平成19年度国民生活基礎調査)。 介護が必要になった方の5人に1人が関節疾患や骨折・転倒が原因になっています。

高齢者は、骨がもろい、運動器(骨・関節・筋肉・脊椎など体を動かす仕組みの総称)に障害が多い、 バランスを崩しやすいなどの特徴があります。 そのため、滑ったり、つまずいたり、尻もちをついたりなどの些細なことで骨折することがあるのです。

高齢者の骨折で多い部位は、手首、腕の付け根、脊椎、大腿骨近位部(股関節に接する部位)などです。

骨折を予防できないか

先に述べたとおり、骨がもろい、運動器に障害が多い、バランスを崩しやすいのが高齢者の特徴です。

骨折しやすいもろい骨は、内服や注射などによる薬物療法等の骨粗鬆症に対する治療を受ける他に、 バランスのとれた食事をとること、適度な日光浴や運動を行なうことも重要です。

運動器の機能改善には、適度な運動が必要です。 関節を柔軟にするストレッチや筋力アップ、バランスをよくする訓練などで、転ばない体をつくります。

バランスを崩しやすい方は、できるだけ段差をなくす、電気コードや新聞紙、座布団など障害物となるものを床に置かない、 慣れた場所だからと真っ暗なところを歩かない、手すりをつけるなど生活環境を工夫することも有効でしょう。 転びやすい方は、転倒時の衝撃を和らげるヒッププロテクターを着けるのも選択肢の一つです。 保険適用はなく実費となりますが、大腿骨近位部骨折発生の確率を下げてくれるでしょう。

ロコモティブシンドローム

「病気の知識」「関節・筋肉・骨・膠原病」の 「ロコモティブシンドローム」をご覧ください。

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