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前立腺がん

患者数が増えています

発症が多い高齢者人口の増加、食生活の欧米化、診断法の進歩により、前立腺がん患者数は増加。 死亡者数は2009年に年1万人を超えました。 しかし、早期発見・早期治療で治癒できるため、患者数に比べて死亡数は多くありません。

前立腺肥大の症状

初期には特有の症状がありません。 やがて、尿が出にくい、残尿感、排尿時痛、尿や精液に血が混じるなど前立腺肥大症と同じような症状が現れ、 骨転移に伴い腰や四肢に痛みが出現します。

50代から発症率が上がり、男性の年代別がん患者数では70代の1位となっています。 遺伝的要素が強く、1親等(親・兄弟・子)に1人の前立腺がん患者がいる場合は発症の危険度が2倍、 2〜3人の前立腺がん患者がいる場合には5〜11倍と高くなります。

検査

前立腺がんの腫瘍マーカー(がんの診断や治療後の経過観察、再発や転移の発見に有効な血液検査項目の一つ)である 「PSA」の値を調べます。 基準値より高ければ、前立腺がんの可能性が疑われます。

PSAの値が高い場合、MRI検査を行います。 3.0テスラという高い磁場が発生するMRIで撮影することで10ミリ以上の前立腺がんを高い精度で見つけることができます。 この3.0テスラMRIは、 高知大学医学部附属病院といずみの病院に導入されています。

治療

治療法には、PSA値の経過を定期観察するPSA監視療法、手術(ロボット支援手術、腹腔鏡など)、 放射線療法、内分泌療法、抗がん剤治療などがあります。 年齢と全身状態により治療法は異なります。

早期発見・早期治療を

前立腺がん検診は、四国4県の県庁所在地で唯一、高知市のみ実施されていません。 また、高齢者率の高い郡部で検診実施率が低いのが現状です。 そのため、受診時すでに進行した状態で見つかる方が多い現実があります。

早期に発見されれば治癒が可能ですので、50歳を過ぎたら一度は検診を受けられることをおすすめします。

泌尿器科 非常勤医師 執印太郎

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