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ロコモティブシンドローム

ロコモティブシンドロームとは

運動器の機能が衰えて、立つ、歩く、といった動作が困難になり、要介護や寝たきりになる、 また、その危険性が高い状態を、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)といいます。

原因となる三大疾患は、骨粗鬆症、腰部脊柱管狭窄症、変形性膝関節症です。 人の動作を支える骨、関節の滑りをよくする軟骨、背骨の動きを滑らかにする椎間板、 それぞれが正常な状態でなくなると、バランス能力や筋力が低下し、歩行に障害が現れます。

ロコモティブシンドローム 7つの自己チェック

(日本整形外科学会2010年)

  • 片脚立ちで靴下がはけない
  • 家の中でつまずいたり滑ったりする
  • 階段を上るのに手すりが必要である
  • 横断歩道を青信号で渡りきれない
  • 15分くらい続けて歩けない
  • 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
  • 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)

一つでも当てはまれば、ロコモティブシンドロームである可能性があります。 最近急に悪くなったり、痛みがあったり、日常生活に支障がある場合には、早めに医療機関を受診してください。

歩ける高齢者が増えることはきたる超高齢社会の希望です

歩行機能アップのため、開眼片脚立ちやスクワット運動(ロコモーショントレーニング)が推奨されています。 ただし、これらは運動器機能の程度により、介助者と一緒に行なったり、 支えになるものを使ったり、無理のないように行なうことが肝心です。 まずは医療機関を受診し、医師の診断を受けましょう。 無理に試して転ぶなどの危険がありますので、勝手な自己判断で行なうのは避けてください。

歩くことは、認知症やメタボリックシンドロームなどの予防にも有効です。 また、高齢になっても“歩ける”ことを示すことは、近い将来迎える超高齢社会に希望をもたらすことになるでしょう。

整形外科 武井良憲