イベント情報
2005/1〜11 もの忘れについての勉強会 レポート

第1回勉強会の様子
当院での認知症に対する取り組み
脳神経外科 もの忘れ外来担当医 楠木 司
私の大学在籍時の研究テーマは「記憶のメカニズムに関する脳内ネットワークの解明」でした。 このときの経験を活かし、当院において「もの忘れ外来」を開設、 アルツハイマー病をはじめ様々な認知症に対する診療を行っています。
診療を行っていて強く感じるのは、いまだに“ぼけ”に対する偏見が根強く残っているということです。 本人・家族共に、ぼけたらもうおしまい、はずかしい、かっこわるいといった言動が多く聞かれます。 認知症の方は他者との信頼関係を新たに築いていくことが難しく、それゆえ家族が唯一の頼りどころとなるはずなのに、 その家族からあたかも見捨てられたかのように感じてしまうことも少なくないようです。
ところがご家族の方と話をしてみると決してそのような気持ちではなく、 本人がどう感じるかなどの心理的な流れなどには全く気を止めずに、 しかしむしろ本当に心配をしての言動がかえって意思の行き違いにつながってしまっていることが少なくありません。 そしてどうしたらいいのかわからずに、本人・家族ともイライラがつのり、悪循環に陥ってしまうのです。
そこで、まずはご家族に認知症についての正しい知識を持って頂き、本人との接し方、 具体的なケースにおいての対応の仕方などを学んで頂こうと考えました。
2005年、奇数月の第1金曜日にもの忘れについての勉強会を開催。 2006年も引き続き勉強会を開催いたします。
さらに、認知症の方に骨折や脳梗塞が生じてリハビリが必要になった場合、
理解力の問題などからリハビリがうまく進まないという問題があります。
そこで医師・看護師・リハビリ療法士、さらには在宅支援や老健施設などの連携を深め、
知識を高める目的で平成17年4月23日に「かるぽーと 高知市文化プラザ」にて“痴呆のマネジメント講習会”を開催しました。
今後は研究会の形に発展させ、継続していく予定です。
また、今年は高知県社会福祉協議会から依頼を受け、“平成17年度高知県認知症介護研修事業”における
「実践者研修」・「認知症高齢者グループホーム管理者研修」の講師を受諾、認知症介護の専門職の養成にもあたっています。
現在認知症の治療と介護は社会的に大きな問題となっており、医師と患者本人のみならず、
家族・介護職さらには近所の方々の協力も得て、皆で協力して対応していかなければなりません。
高齢化が進む現在、認知症の問題は他人ごとではないのです。